忘れないうちに書いておこう

タイトル通りの内容。

『進撃の巨人』の難しさ

 夢をあきらめたエルヴィンの演説がとても好きという話ではない。

 島の外にも世界は広がっていたといた主人公サイドが気づいて以降の話。話の中の登場人物と違って読者には俯瞰した視点を与えられている。その読者がその視点から登場人物の行動や思想やらについて政策的妥当性を云々するのを見かけるとなんだかなあという気分になる。

 かつての論壇では正しいことをいう人に正当な評価が与えられていなかったというような話を橋爪大三郎がしていた記憶がある。その念頭にあったのは小室直樹のことなのだろうか。リアルタイムでは知らないのでよくわからない。

 今の私からみるとこれは逆に思える。今というかけっこう前から感じていたことではあるが。あまりにも私の目に見える世界は正しさにあふれかえっているのだ。その正しさに圧迫され、息苦しいと感じるくらいに。