忘れないうちに書いておこう

タイトル通りの内容。

作品の理解のあれやこれや

 作品の理解にはその作品の置かれた時代背景といったものを含む理解が必要だろうか。よく言われることなのでたまに考えるのだけど、いまひとつよく分からない。よくわからないというのはいろいろあるのだけど。

 吉本隆明というひとのことがいろいろと理解できない部分があって、いくつか挙げると朝日新聞と腐れ左翼が嫌いなこと、転向について非常に厳しい基準を設けたこと。このへんの背景については今でも非常にわかりづらい、自分にとっては。なにかものすごくこういったことに吉本にとって譲れないものがあるんだということだけははっきりとわかった。昭和の戦争というもののくぐり方にあるのだと思ったけれど。ではそうした文脈を踏まえさえすれば、吉本を理解できたのかというと。どうなんだろう・・・

 吉本の平成で起きたテロや9.11に対する態度などもそこらへんがわかってくるとこちらの理解の仕方も変わってくるのだろうか。この辺については自分はそれほど理解しがたいというほどでもなかった。

 おかれた文脈云々もそうだけど、作家でもなんでもよいのだけど。その人のつくったものを通しで見るというものも理解の仕方としてはあると思う。鶴見俊輔だったか、人の思想はその思想が木の幹が年輪を刻みながら育つようにして成長したものしか信じられないというようなことを言っていた記憶があるが。そういう理解の仕方というのだろうか。全集を読むというのも理解するという点では大事なことに思われる。