忘れないうちに書いておこう

タイトル通りの内容。

すこしだけ書いておこう

 「造悪論」について気になる部分。なぜ吉本は麻原を死刑にするようじゃ日本社会はダメだといったのか。その部分だけはずっと気になっていた。この事件に限らない話だが、私個人はテロリストの気持ちがよく分からない。テロリストだけでなく、なにがしかの「正義」というものを内に秘めたこと、全般について理解が及ばない。大体の人が悪いと思えるようなことをことさらに責めたてるようなテレビショーもいけすかない。そこに欺瞞を感じるということはなくないのだけど、それよりもなぜ「正義」と信じることができるのか、自分にはそうしたものにいたる経験が人生で欠落してるのか。ようは社会というものに対して大した怒りを感じないのだ。怒りよりもまず先にくるのは悲しいなという感情で、だいたいはそこで終わってしまう。

 それにしても吉本はなぜはっきりと言いきったのだろう。韜晦して意味ありげな毒にも薬にもならないような話になぜしなかったのか。自分にそういうことはできるかと問われれば、おそらくできないだろうと思う。

 それとは別の話で、法学的な観点から疑義をはさんだ人はいたのだろうか。セクハラ罪という罪はないといった政治家のことばは正しいと思うけれど、この政治家は麻原の裁判についてはどのように見ていたのだろうか。ケースバイケースで法治国家を持ち出す人同様、この種の発言にかみつく気はないが、単純に気になる。

 最後に書いておきたいことは、この事件の真相についてはほぼ未解明のままということだ。裁判をやりきっていないということもあったのだろうけれど、かりにやりきったとしても、現状とそこまで差がなかったのではないかと思う。私個人について言えば、彼らのことを理解しようとはそれほど思わなかった。きっと「造悪論」がよくわからないという問題と地続きなのだと思う。