忘れないうちに書いておこう

タイトル通りの内容。

吉本隆明

 この人の本ではじめに出会ったのは『私の「戦争論」』だった。

 印象深かった話がある。それは米沢工業高等学校の時の話で、戦中、校長先生と生徒会長(だったかしら)の茶番劇を見せられて、辟易としたいうような内容だった。しかも、その校長先生がなぜ茶番につきあったのか、今では理解できるというふうでもあった。当時の私には吉本が校長先生のなにを理解したのかも分からないし、今でもよく分からない。気になるのだけど、そのうち自分にもわかるときが来るといいな。

 細々としたことは書くつもりはないが、高等学校時分のエピソードの他にも、アメリカで起きたテロについてや従軍慰安婦問題についての見解など、今でも印象に残っている。

 その本を読んで以来、時間を見つけては他の著作にも触れてみた。難しすぎてわからんというのが正直な感想で、いまだに眠れない夜に適当なページを開き、眠くなるまで読み、翌日の朝にはどこまで読んだか忘れてしまったと呑気な感じに付き合っている。

 全共闘時代の人はこの人をどう読んだのだろう。自分とは全然違うのだろう。

 あと猫の話が好きだったな。自分は犬を飼っていたのだけど。吉本同様、私もその犬は自分に似ていると思っていた。

 もう犬は二度と飼わない。そもそも動物はそこまで好きではないのだ。